アメリカのスモールビジネス・面白いビジネスをご紹介!
アメリカ。その広大な地には、大型チェーン企業だけでなく、個性的でユニークな小規模ビジネスが数多く存在します。
大手企業にはない地域性や創造性を武器に、多種多様な商品やサービスを提供している彼らからは、新たなビジネスのヒントやインスピレーションを得ることができます。
今回は、そんなアメリカのスモールビジネスの中から特に面白く、ユニークなビジネスをご紹介します。
思わず「こんなビジネスがあるのか!」と驚くこと間違いなしの内容となっておりますので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
アメリカの副業・スモールビジネスについて
副業の自由度と受け入れ率が増している日本ですが、これはまだ歩み始めたばかりのステージです。
対照的にアメリカでは、副業やスモールビジネスは社会の一部として定着し、日常生活に深く浸透しています。
リスク分散や将来のための貯蓄、ひいては経済的な安心を求めて、多くのアメリカ人がUberのドライバーやAmazonでの商品販売などの副業を選択しています。
大学の学費や住宅ローンなど、生活に対する経済的な重圧がこれらの選択を後押しする一方、社会保障の不十分さも副業を必要とする状況を作り出しています。
また、会社勤めに留まらず、自身の収入を自分自身で管理し、最適化することを選択するアメリカ人も増えています。
彼らは副業だけではなく、地元のコミュニティに貢献し、地域経済に影響を与えるスモールビジネスを始めることも多いです。
本業の枠を超えた挑戦と働き方の多様化、これらは、終身雇用や年功序列といった日本の伝統的な雇用形態と対照的な働き方を生み出し、その結果として副業者やフリーランスの割合が増えているのです。
事実、2020年の調査では、労働者全体の4割程度がフリーランスとして働いていると報告されています。
多様な働き方や収入の形を試行錯誤しながら、自らの手で人生をデザインする。
これは、アメリカの働き方の風景を通じて見ることのできる、新たなライフスタイルの一端かもしれません。
私たち日本人にとっても、その視点を借りて考えてみる価値は大いにあるでしょう。
アメリカで注目されているスモールビジネス事例とは
アメリカで生み出されているスモールビジネスにはどのようなものがあるのか、詳しく見ていきましょう。
奨学金の申請手続き支援
アメリカの大学生の多くは、高額な学生ローンを背負い学び続けます。
ついには、給料だけだと返済が困難となり、副業をしながら借金返済に苦しむ学生が多くなっています。
学び始めたばかりの若者たちは、学費や負債に対する知識が欠如しているのに、借金を背負わざるを得ないのです。
そんな若者たちを支援し、適切に学生ローンを活用できるよう、既存のフレームワークを覆す新しいビジネスが注目を浴びています。
これは、元金融機関の職員が立ち上げた事業で、彼は学生ローンが迫り来る新たな金融危機を感じたため、旧職を辞めたのです。
彼はその後、学生向けの奨学金申請支援や、学生ローンに関する情報提供など、学生の負担軽減に向けた事業をスタートさせました。
彼の事業は、日常業務中の気づきを成長可能なビジネスチャンスに変えた素晴らしい事例であり、多くの学生たちが米国の高等教育費用問題に対して新たな解決策を模索する背景に立ち上がっています。
スーツケース販売
フライト移動をする際、自己のニーズに合い納得のいくスーツケースやバッグを見つけるのは困難です。
サイズ、耐久性、価格と多くの要素が影響します。
こうした旅行者のニーズを満たすため、アメリカでは新しいビジネスモデルが注目されています。
それが、あらゆるニーズに応えられるスーツケース販売ビジネスです。
このビジネスモデルは、顧客の個々の要求に対応するカスタマイズサービスと、インスタグラムやピンタレストなどのソーシャルメディアを駆使したマーケティング戦略に基づいています。
これによって、自己表現と実用性を兼ね揃えた商品を提供し、旅行先でのスムーズな移動を可能にします。
消費者にとってスーツケースはただの荷物を運ぶアイテムではなく、自己を表現する一端となっています。
特に、旅行を好むミレニアル世代とZ世代には特別の魅力を持つアイテムだと言えます。
このビジネスが成功している背景には、ニーズに応じた製品の提供、革新的なアイデア、可能な限りの低価格設定という要素が揃っています。
これはちょっとした革命であり、かつてない形のスーツケースビジネスがアメリカで展開されています。
極端なインパクトがあるわけではないかもしれませんが、旅行者のニーズに応じた商品を提供することで、一定の市場を確保しており、注目すべきビジネスモデルだと言えます。
より操作性の良い、使いやすいスーツケース選びを可能にすることで、この新興ビジネスは今後も続々とユーザーを増やしていくことでしょう。
無料シャトルサービス
アメリカは自動車社会として知られていますが、環境問題や持続可能性といった課題意識の高まりから、自動車依存のライフスタイルが見直されつつあります。
そのような背景から生まれた新たなビジネス展開の一つが、無料シャトルサービスです。
老人や障害者、交通の手段が乏しい地域の住民が移動を必要とすれば、無料シャトルサービスが彼らを目的地まで運びます。
これらのサービスの運営資金は、広告やスポンサーシップ、寄付などによって賄われています。
ビジネスが地域の便利性を向上させ、生活空間を快適にするだけでなく、地域のブランド力を強化し、観光産業を促進します。
加えて、公共交通機関への無料シャトルサービスのように、既存の交通ネットワークと連携する事業も展開されています。
これらの社会貢献型ビジネスは、地域課題の解決につながるだけでなく、企業の信頼性や認知度を高める役割も果たしています。
また、事業そのものがPRになるため、企業はマーケティングコストを削減することも可能です。
アメリカの無料シャトルサービスは、公私双方に対する新たな可能性を示しており、その展開範囲と可能性に対する注目が集まっています。
これは、車両に掲載される大きな広告によってスポンサーが環境意識の高さをアピールし、利用者側の環境問題に対する意識も高まるためです。
フリーランス医師の仕事探し
アメリカのスモールビジネスで一際注目されているのが、フリーランスの医師たちです。彼らは伝統的なクリニックではなく、自らが立ち上げたビジネスにより、自分たちの専門知識を活かして医療サービスを提供しています。
一方で、日本ではまだ見かけない働き方かもしれません。なぜなら、日本の医師たちは病院に所属するか、自らの診療所を開業することが一般的だからです。
しかしながら、アメリカと同じく日本にもフリーランス医師に潜む可能性が無いわけではありません。
それは、患者への直接的なサービスを提供したいと考える医師や、自由な勤務スタイルを望む医師が一定数存在しているからです。
アメリカのフリーランス医師たちは、テレヘルス(遠隔医療)や家庭訪問など、新たな医療サービスの提供を始めています。
公衆衛生の観点からも、直接病院に足を運ぶことなく医療サービスを利用できるこの流れは、特に高齢者や介護が必要な人々にとって便利なものです。
ただし、独立したビジネスを運営するには課題も多く、患者の確保、ビジネスの運営方法、マーケティングなどに苦心しなければなりません。それでも、自らのスケジュール管理や、よりパーソナライズした医療サービスを提供する自由さから、医師たちがフリーランスとしての働き方に注目しています。
特に、アメリカでは医師不足が予想される中、フリーランス医師と病院のマッチングがより重要になってきています。
経済情報提供サービス
ミレニアル世代は、2000年代に成人または社会人になった個人を指し、主にアメリカで使われている用語です。
通常、1980年代から2000年代初頭に生まれた人々を指すとされています。
ミレニアル世代は、既に普及していたインターネットの中で成長し、高い情報リテラシーを持っているとされています。
同時に、SNSの活用が一般的であり、異なる価値観を受け入れる傾向が強調されています。
経済的には、ITバブルの崩壊やリーマンショックの影響を若い頃に受けており、経済的な困難な時期を経験しています。
その結果、失業率が高く、初婚年齢も遅れている傾向が見られます。
こうしたミレニアル世代に対して、銀行で働く若者が財務ニュースレターの制作を副業として始め、そのニュースレターを毎日欠かさず提供することで独自のビジネスを築いています。
ビジネスの世界で新たな風を巻き起こす力を手にしたミレニアル世代が、意識改革とイノベーションを推進している様子を映し出しています。
インターネットの進化がもたらした情報リテラシーの向上と、SNSを通じた多様な価値観の受容によるものでしょう。
また、彼らが経済的な困難を経験したことから、彼ら自身が新たなビジネスアイデアを生み出していると言えます。
健康に関する情報提供
アメリカで近年注目を集めているスモールビジネスの一つが、専門資格を有するチームによる健康情報提供サービスです。
この事業は、一般消費者が難解な健康情報を追い切ることが難しいという問題を解決することを目指しています。
その手段として、特化した専門家チームが最新の研究データや健康トレンドを解析し、それを一般向けに易しく解説するサービスを展開しています。
利用者は、主にウェブサイトや電子書籍の形で、ナレッジを手に入れることができます。また、一対一の相談対応や教育ワークショップなども提供されており、その形態は多岐に渡ります。
このようなサービスが成功を収めている背後には、健康志向の強まりやデジタル時代の進展といった社会的トレンドがあります。
パンデミックの影響で人々の健康への意識も高まっており、その需要を見事に捉えています。
これからも健康に対する関心は高まる一方なので、このビジネスは引き続き拡大する可能性が高いと言えるでしょう。
また、健康知識の拡散という教訓は日本のビジネス環境にも役立つヒントを含んでいると考えられます。
アメリカの最先端スモールビジネスとは
この章では、アメリカの最先端スモールビジネスをご紹介します。
サブスクリプションサービス
アメリカの先進的なスモールビジネスのひとつとして、月額制サービス、いわゆる「サブスクリプションサービス」が注目を集めています。
従来の販売手法を見直し、商品やサービスを定期的に配布することにより、顧客を定着させる新しいビジネスの形が生まれています。
その適用範囲は食品から美容品、ファッションと多岐にわたります。これにより、消費者は自分に合った商品を、自宅で簡単に楽しむことが可能になります。
このビジネス形態は、ビジネスオーナーにとっても魅力的で、規模を問わず安定した収益源を確保することができます。
顧客と継続的な関係を保つことで、ニーズの変化や最新のトレンドを早く掴み、製品やサービスの改善につなげることができます。
今後のビジネスにおいて、サブスクリプションサービスはアメリカのスモールビジネス成功のための新たな手法となる可能性があります。
その運営モデルが、企業と消費者との新しい形の関係を生み出し、広範囲な経済活動に革新的な影響を与えることでしょう。
小規模ビジネスの成功のために、ぜひこの新しいビジネスモデルを参考にしてみてください。
健康管理サービス
アメリカの話題のスモールビジネスのハイライトには、健康管理サービスが位置づけられます。
スマートデバイスの進化と共に個々のライフスタイルに適応した健康の監視が現実的になってきており、これにより「健康テック」の領域が著しく成長しています。
この新規事業に参画する企業は、顧客の健康情報を評価し、パーソナライズされたアドバイスを提供し、健康新ための支援をしています。
彼らはスポーツ活動、睡眠時間、食生活等の個々のライフスタイルに関与しており、特色のあまりないヘルスケア市場に新たな身新たな風を吹き込んでいます。
さらに、病院や医者との緊密な連携により、専門家が考えるアドバイスが提供されます。
これは「自己管理」から、「プロフェッショナルの手助けを借りた健康管理」へと変わり、最終的に健康を増進する役割を果たします。
このような健康管理サービスに対応する関心が高まる原動力は、乱れた生活の防ぐ疾患予防の需要です。
この流れは、パンデミックが「新しい生活様式」を定着させる中で、さらに加速する可能性があります。
これが健康志向が顕著になっている中で、今後需要拡大を予想されるスモールビジネスの一つとなります。
海外にあって日本にはないサービスとは
新規事業への参入を考えている人もいることでしょう。しかし、新規事業のアイデアはなかなか思いつきません。
新規事業を始めたい方に向けて、海外での新規事業のビジネスアイデアや海外ビジネスの成功事例をご紹介します。
小規模事業者と配達会社のマッチング
海外に目を向けると、「小規模企業と配達業者のマッチング」を行う画期的なビジネスモデルが存在しています。
これは、例えばアメリカのサンフランシスコに本社を置く「DarkStore」のような企業が提供する、物流の課題を解決するための新しいサービスです。
DarkStoreのビジネスモデルは、配送作業のコストや手間を軽減するために、小規模事業者が必要とする商品情報を登録し、必要に応じて最適な配送業者をマッチングすることを可能にしています。
こうしたサービスは、配送業者にとっても新しいビジネスチャンスとなります。
具体的には、DarkStoreは小規模事業者からの情報をもとに、ショッピングモールや倉庫業者が提供する余剰なスペースを活用し、その場で配送業者をマッチングします。
これにより、配送業者は適切なドライバーや配送ルートを選択し、迅速かつ効率的に配送作業を進めることができます。
このような新しい形の物流サービスは、まだ日本では広く知られていませんが、物流業界の効率化に寄与すると考えられています。
特に小規模事業者や中小企業にとっては、物流コストを削減しビジネスをさらに拡大するための重要な選択肢となりえます。
今後の日本における導入に期待が寄せられています。
ジェンダーニュートラルな服作り
日本のファッション業界における男女ステレオタイプなスタイルが未だ大半を占めている一方で、海外ではジェンダーニュートラルという新しい風潮が生まれています。
この新たな流れは、性別にとらわれず、個々の個性や好みに従って服を選択し、スタイリングを楽しむというコンセプトです。
欧米では、数多くのデザイナーやブランドがこれに賛同し、ジェンダーニュートラルな製品を展開し、関心を集めています。
しかし、日本では古い習慣から、男女の衣装規定が依然として影響力を持ち続けており、ジェンダーニュートラルな理念は一部の若者にのみ受け入れられています。
そのため、その存在は全体にはまだ理解されていないため、見過ごされがちです。
しかし、ジェンダーニュートラルな製品は日本のファッション業界にとって、新たな可能性を示唆しています。無数のアイデンティティに敬意を持つことで、自己表現が豊かになり、多様性と理解が広がるからです。
ジェンダーニュートラルな洋服製作は、既存の枠組みを乗り越え、服に新しい意義をもたらし、より寛容で開かれた社会を創り出す可能性を秘めています。
オーナーチェンジ物件の仲介サービス
「オーナーチェンジ物件の仲介サービス」は海外では一般的ですが、日本ではまだ一般的でないです。
これは賃貸物件を販売する一方で、売却者は家賃収入を継続的に得ることができるというサービスです。
これにより、買主は新たな住人を見つける苦労や空き家のリスクを気にすることなく不動産投資を開始できます。
このサービスは、不動産投資のハードルを下げ、安心して投資を行うための環境を提供します。
これにより、初めての投資家でも不動産投資に容易に参加できるようになります。
しかし、日本では法的な制約やシステムの違いから、このようなサービスはまだ少ないのが現状です。
これが日本の不動産投資市場の成長を妨げ、投資家間の取引を活発化する機会を減らしています。
一方、海外ではすでにテナントが入居した状態の物件の取引が盛んに行われており、仲介サービスも成熟しています。
もし日本でもこのようなサービスが広まれば、不動産投資を考えている人々に対して、投資の選択肢が広がり、新たな市場の活性化が期待できます。
例えば、「RoofStock」では、投資家と売主を結びつけ、オーナーチェンジ物件を仲介しています。
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RoofStockは、創業2年で約75億円のファンドを確保し、サービスの向上や新技術の研究開発に取り組んでいます。
まとめ
アメリカのスモールビジネスを見て、新たな視点や創造的なアイディアが生まれるかもしれません。これらは大手企業には真似できない、個性豊かで地域色溢れるビジネスです。
一見するとちょっと変わったビジネスかもしれませんが、その一つ一つにはしっかりとしたビジネス理念と顧客への深い愛情が感じられます。